貴族の勝手

17/68
前へ
/1044ページ
次へ
「まあ、それはそうですけど」 「魔法書にも書いてあるし、アルビナも言っていたが魔法は生きている、相性があっても不思議じゃないさ」 「母はなんて言ってましたか?」 「アルビナか?確か……、見聞が広がった、魔法の真理に近付けたとか言って喜んでいたな」 「ふふ、そうですか。確かにエルフには無い考え方ですからね」 「やっぱり相性とか言わない方がいいか?エルフも知らないオレが勝手に考えた事だし」 「いえ、良いと思います。その考えは大切にして下さい」 オレは笑い、アルフィナも笑顔になる。オレは席を立ち背伸びをした。アルフィナはオレが読んでいた魔法書を読んでいる。 「そろそろ日が暮れるな」 町は夕日に照らされ、だんだん暗くなっていく。 「ウィル達遅いな」 ネールも心配そうだ。 「オレちょっと探して来る、ネール、店番頼むよ」 「分かりました、お気をつけて」 「セイルさんわたしも」 「アルフィナはダメだ。自分の立場を自覚しろ、ウィル達は多分、道に迷っただけだ。心配するな」 アルフィナは行きたそうな顔をしていたが、納得し店に残った。オレは店を出ようとすると、扉が開き鎧を身に着けた兵士が入って来た。
/1044ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1610人が本棚に入れています
本棚に追加