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中学1年の冬休みばぁちゃんが倒れた。
原因はくも膜下出血。
その日の朝、あたしは部活の練習のため学校に行こうとしていた。
いつもの土曜日の風景。
いつもと違ったのは、
玄関まで見送りなんてしないばぁちゃんが見送りに来たこと。
朝から頭が痛いと言っていたばぁちゃんにあたしは、
『何か悪い病気かもしれないから、病院行っといで。』
と声をかけた。
『今日は、牧師先生を呼んでパパとちゃんと話をするから病院は行けないよ。
明日、行くさ。部活が終わったら奈緒おばちゃん家に行っておいてね。』
短い会話を交わして家を出た。
部活が終わって奈緒おばちゃんの家に行くと、
妹がすでに来ていた。
まだ、話し合いは終わらないらしい。
奈緒おばちゃんは、様子を見に出て行ったきり帰ってこない。
奈緒おばちゃん家からあたし達の家までは、
歩いて5分もかからないのに。
奈緒おばちゃんが出て行って、1時間ぐらい過ぎた頃
奈緒おばちゃんが慌てて帰って来て、急いで車に乗るように言われた。
病院に着くと、すぐに
医者から手術の成功率が5%だと聞かされた。
『助からないかもしれない』
家族みんなが覚悟をした。
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