この世界は

2/2
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/132ページ
世界はあたたかい朝と優しい夜に包まれていた。 朝の民は瞳に太陽を宿し、 夜の民は瞳に月を宿していた。 ある日夜の民である漆黒の髪の魔王は、 世界を闇で包もうとした。 魔王の行為に朝の民である純白の髪のお姫様は涙した。 彼女は魔王と共に死のうとした。 そんな時、一人の少年がお姫様に力をかし、 魔王を眠りにつかせた。 だけどお姫様も眠りについた。 少年はいなくなった。 朝の民も夜の民も世界から居なくなった。 その代わり、世界には様々な命が生まれた。 その命はそれぞれが補う様に存在し、この世界の調和を保っていた。 だが、お姫様は今も悪夢を見ながら眠り続けている。 世界が魔王の闇に包まれる悪夢を見ながら彼女は眠り続ける。 彼女が目覚める時、 それは勇者が現れる時。 それは勇者が彼女の悪夢を止める時。 勇者が・・・・・世界を救う時。      絵本『始まり』より
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!