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世界はあたたかい朝と優しい夜に包まれていた。
朝の民は瞳に太陽を宿し、
夜の民は瞳に月を宿していた。
ある日夜の民である漆黒の髪の魔王は、
世界を闇で包もうとした。
魔王の行為に朝の民である純白の髪のお姫様は涙した。
彼女は魔王と共に死のうとした。
そんな時、一人の少年がお姫様に力をかし、
魔王を眠りにつかせた。
だけどお姫様も眠りについた。
少年はいなくなった。
朝の民も夜の民も世界から居なくなった。
その代わり、世界には様々な命が生まれた。
その命はそれぞれが補う様に存在し、この世界の調和を保っていた。
だが、お姫様は今も悪夢を見ながら眠り続けている。
世界が魔王の闇に包まれる悪夢を見ながら彼女は眠り続ける。
彼女が目覚める時、
それは勇者が現れる時。
それは勇者が彼女の悪夢を止める時。
勇者が・・・・・世界を救う時。
絵本『始まり』より
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