旅立ち

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「・・・・・んぅ?」 テンマは目を開けた。 そしてゆっくりと上半身を起こした。 更に辺りを見渡し、現状を把握しようとした。 自分が今いるのは清潔感のある部屋だった。 すぐ近くには開いた窓があり、時折風が吹き込み、それはとても心地良いものだった。 窓から陽光が差し込み、空は青く、今が朝だということが分かった。 自分はその部屋にあるベッドに寝ていたようだ。 純白のシーツは温かく、今ならもう一度横になるだけで眠れそうだった。 服を見た。 自分の物ではなく、薄い青をベースにしたシャツとズボンだった。 テンマは自分の現状をやっと把握した。 「ここは、病院か・・・」 テンマは自分の居場所をポツリと口にした。 「ッ!?」 その時、彼は自身の体を巡る違和感を捉えた。 例えるなら、満たされていた器が空っぽになったような。 そう、これは、 「腹・・・・減った」 “グゴゴゴゴッ!” 騒々しい腹の虫の音が部屋に響いた。
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