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やっと一本道に沿ってさっきまでの大自然から一歩踏み出ると、一人の男の人を前方に見つけた。
歳は・・あたしと対して変わらないかな?
あたしより少し上かも・・?
大人っぽく感じたその人のところまで小走りで近付くと、思い切って声をかけてみる。
「あ、あの・・」
「あ?」
ギクッ
こ、こわ・・!
めんどくさそうに後ろを振り向きながら放たれた言葉。
なんという冷たさ・・。
「えっと・・聖麗学園まで行きたいのですが・・」
あたしがそう言うと、その人の視線があたしの足下から頭までを一通り見る。
「あ、あ、あの・・つい先日引っ越してきたばかりで・・。道が良くわからないんです。」
何も答えないその人に、少し苦笑いしながらそう説明すると、
その人がやっと口を開いた。
「お前も聖麗校か。」
「・・へっ?」
じっとあたしの制服を見つめた後に、そういったその人。
”お前も”・・ってことはもしかして・・この人も同じ学校に通う人?
「あ、そ、そうです・・。」
冷たくてなんだか怖いオーラに、なんか質問をする気が引けちゃう。
あたしが返事をすると、また黙り込むその人。
「・・条件付きだから。」
あたしを一通り見るとそう言い放ってその身体を振り向かせると歩き出すその人。
「ついて来い。」
「えっ・・?」
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