偶然、それは必然

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先に歩き出したその人の後を歩くあたし。 ・・というかもはやあたしは追っている状態で・・。 この人の一歩一歩が大きくて、着いていくので精一杯。 さっきからずっと沈黙のこの気まずい空気は更にあたしを焦らせる。 「あ、あの・・ありがとうございます。」 まずはお礼言わないとだよね。 ・・それしか思いつかないってだけなんだけど・・。 「まだ着いてねーぞ。」 「あ、はい・・でも先に言っておこうと思いまして・・。」 「・・単純だな。」 「へ・・?」 あたしを横目で一瞬だけ見ると、また目線を前に向けるその人。
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