第一章 夢

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「…ったく!!なんで止めるのよ!?」 シエルは行き場の無い怒りをロイに向けた。 「いちいち俺に当たるな。 それといちいちシュラに喰って掛かるんじゃない。」 「だって総司令官に斬りかかったのよ?! 何であんたはそんなに冷静でいられるのよ!?」 「あの二人は親子だ… 家族間の事に俺らが口出しする必要は無い。 ただそれだけだ。」 「…くっ!! どいつもこいつも!!」 シエルはロイを押し退けて十字架の前に立った。 「あんたが死んだからこうなったんだからね!!」 シエルは十字架に向かってそれだけ言って来た道を怒りながら帰って行った。 「…ふぅ…」 ロイは帰って行くシエルの後ろ姿をやれやれと見送り、十字架に話し掛ける。 「…テイル…お前の周りの人間は皆喧しいな… テイルが先立った事で色んな歯車が狂い出してるよ…」 ロイは十字架の前にしゃがみ、花を置いて手を合わせた。 「…さて、俺も疲れたし、そろそろ帰るよ。」 ロイは欠伸をして、城へと戻って行った。
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