第一章 夢

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一人の少女は、鎧を纏った護衛兵に守られながら、城の中に侵入してきた敵兵から逃げて行く。 「姫!!こちらです!! 早く!! 追っ手はすぐそこまで来ています!!」 「わかっています!!」 姫と呼ばれる少女は息を切らしながらも、必死に逃げる。 「!!??姫!!お下がり下さい!! !!?ぐはぁ!!」 突如、黒いマスクで顔を覆った黒装束の男が現れ、護衛兵の首を一瞬で撥ね飛ばし、息の根を止めた。 「キャァァァァァ!!」 護衛兵は力無く倒れ、少女は驚いて、尻餅をついて両手で顔を覆って泣き出した。 「…呆気ない… 悪いが…姫様にはここで死んでもらおう…」 「いっ、いやぁぁぁ!!」 少女は立ち上がり、今まで走って来た道を必死で戻って行く。 シュタッ!! 「!!??」 しかし、黒装束の男は少女の頭上を飛び越えて、少女の前に立ちはだかった。 「…さらばだ。」 男は剣を振り上げ、少女目掛けて、一気に振り下ろした。 少女はもうダメだと諦め、目を瞑った… ガキィィィィン!! 「誰だ貴様は!!」 しかし、剣は少女に届く前に駆け付けた少年の剣に阻まれた。 「大丈夫ですか姫!?」 「あ、あなたは…?」 「今はそれどころではありません!!」 キィン!! 少年は黒装束の男の剣を力づくで弾き飛ばし、距離をとった。
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