592人が本棚に入れています
本棚に追加
朝の気持ちいい光が、窓から差し込み、一人の少女がベッドから起き上がった。
「…久しぶりね…この夢を見たのは…」
少女の名は、リリア・ラクティア。
髪はピンクのロングで、綺麗なストレート。
瞳は透き通ったエメラルドグリーン。
顔立ちは整い、気品溢れる顔だ。
彼女はアーリア国を治める王女である。
「…今日も平和に一日が終わりますように…」
リリアは窓の外を眺めながら、呟くと、ベッドから下り、着替え始めた。
「王女様、失礼致します。」
「なんですか?」
ドアが開き、一人の女性が王室へと入って来た。
「先程物見に行っていた兵が戻り、その報告にと、その兵をお連れ致しました。」
「…よろしい、通して下さい。」
「はっ!!」
リリアは着替えを終え、女性にその兵を迎え入れるように言った。
兵は一礼して王室へと入って来た。
「失礼致します。」
「あら、シュラではありませんか。」
リリアは入って来た兵を見て驚いたが、すぐに嬉しそうに笑った。
しかし、シュラは表情も変えずに淡々と、話始めた。
「お久し振りです。
テスラ国への物見の報告に来ました。
総督のエル・ローレン様には既に報告済みです。」
シュラは赤髪で、瞳も赤く、腰には刀身1.2m程ある剣を差している。
総督とは、国軍の指揮をとる軍のトップの人である。
「…いきなり仕事の話ですか…
久しぶりなのですから、少しお話でも…」
「しません。
私は報告をしに来ただけです。」
シュラはリリアの提案を一蹴して、物見の報告を始めた。
最初のコメントを投稿しよう!