第一章 夢

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「そうですね。 わかりました。 参考にさせてもらいます。」 リリアは何度か頷き、真っ直ぐシュラを見据えた。 「…今日は何の日か覚えていますか?」 シュラはまた表情を変えずに、頷き、リリアの問いに答える。 「忘れる訳が無い。」 「…ですよね。 もう顔は出したのですか?」 「…いや…」 「では、今日一緒に行きませんか?」 「一人で行きます。 もう話しは済みましたか? 済みましたなら私は失礼させていただきます。」 シュラはリリアとの会話を半ば強引に終わらせ、立ち上がって王室を出て行った。 「…シュラ…あなたはあの日から変わってしまった…」 リリアはため息をついて窓の外を眺めた。
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