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「はい。」
「ありがとう。」
シュラの向かいに、ティエラが腰を下ろすと、ティエラが口を開く。
「…あの子達はね。
戦争で両親を無くした子供達なの。
今は孤児院で生活してて、何か力になりたくて、ああして週に一度だけど授業をしてるの。」
「子供達が使っていた道具とかはどうしてるんだ?」
「あれは私が働いたお金で買ってるのよ。」
この時シュラは本気でティエラを凄いと思った。
「…今日のアレンって男の子…軍人になるって頑張ってるの。」
「だからあんな質問を…」
「えぇ、私は子供達に軍人にならないで平和に暮らして欲しいの。」
「そりゃぁ無理だな。」
「!!??」
シュラが振り返ると、窓枠にシークがいた。「キャァ…!!?」
「貴様!!」
シュラはティエラの口を押さえ、瞬時に剣を抜き、戦闘態勢をとる。
「そんなに威嚇すんなよ。
戦いに来たんじゃないんだ。」
シークはヒラヒラと両手を振って、武器を持っていない事をアピールするが、シュラはそれでも警戒を解かない。
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