第一章 夢

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シュラはリリアの王室を後にして、廊下を歩いていた。 (…今日は疲れたな… このまま兵舎に戻って一眠りしよう…) 兵舎とは、家を持たない兵が寝泊まりするアパートみたいな物で、城の敷地内にひっそりと建っている。 シュラは兵舎に着き、管理人のおじいさんに挨拶をして、部屋に入った。 部屋に入るなり、腰の剣を壁に立て掛け、ベッドに横になって深い眠りについた。 「…さん…兄さん、待ってよ。」 「ほら、早く行かないと鍛練場がとられるぞ。」 「わかってるけど、剣が重いよ。」 「…仕方無いな。 持ってやるから急ぐぞ。」 兄さんと呼ばれる男は優しく微笑み、シュラの剣を軽く持ち上げて、走り始めた。
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