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シュラ達は焚き火の周りで座りながら煖を取っている。
「…なぁ…」
「どうした?」
シュラはロイに話し掛けたはいいが、今日の昼間の出来事を言うか言うまいか、悩んでしまう。
「なんか言いたい事があるんじゃないのか?」
「…いや、何でもない。」
シュラはやはりシークの事は口外しまいと決め、黙り込んだ。
ロイは気になったが、問い詰めるような事はしなかった。
シエルはうとうととしているので、シュラの話しは全く聞こえていない。
(…上層部って…何処からの上層部からもわからない…
それに奴は敵国の兵だ。
奴の言った事を鵜呑みにしていいのか?
…だが奴は…悪い奴じゃない…そんな気がする…)
「なぁ…ロイ…」
「今度はなんだ?」
「…強い奴と戦うのは好きだけど、戦争は嫌い…ってどう思う?」
「どうしたんだいきなり?」
ロイはシュラから突拍子も無い事を聞かれ驚いた。
「別にいいんだ。
ただの考え事だ。」
シュラは馬鹿馬鹿しいと自嘲して、手を左右に振った。
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