第四章 テスク戦争

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シュラは味方の隙間を潜り抜け、鍔迫り合いを続けるテスク国軍の腹を、鎧ごと剣で貫く。 テスク国軍の兵は血を吐いて倒れる。 「ありがとう。僕はトール・メイスだ。」 鍔迫り合いをしていたアーリア国軍の兵がお礼を言う。 シュラはトールの言葉など無視してテスク国軍を斬り倒して行く。 すぐにロイも戦いに加わり、シエルも後方から弓でテスク国軍の息の根を止める。 シュラ達が戦いに加わってから10分程で、テスク国軍の10人を全員倒し、トール達の部隊の内二人が殺られた。 「次の敵が来ない内に先に進むぞ。」 ロイ達は剣をひとまず収め、走り出す。 「トール!!ヤクリ!!俺達も続くぞ!!」 「「はい!!」」 トール達の部隊も、シュラ達の部隊に続いて走り出した。 「ロイ!!大通りの部隊がおかしいわよ!!」 しばらく走っていたが、大通りを担当していた部隊が少しずつ押され始めているのにシエルが気付いた。 ロイは立ち止まり、大通りに目を向けた。 大通りでは、アーリア国軍が策も無しに突撃しているようで、確かにテスク国軍に押されていた。 「…シュラ、大通りの部隊の指揮は誰がとっている?」 ロイは建物の影に身を隠していらシュラに聞く。
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