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「じゃあ何かあったらメールしてね」
そう言うと由美子(ユミコ)さんは俺に何かを渡してきた。
あっ、あれだよ。由美子さんはプールで会った人だよ。そういや名前言い忘れてたなぁ~と思って。え?いや俺自身もまさかここまで引っ張るとは思っていなかったから……って何言ってんだ俺!!
そんな事よりこれ……は?
「もしかして……?」
俺はゆっくり運転席側の由美子さんを見た。
「私達の連絡先。子育てとか大変だろうから、分からないことがあったら何でも聞いてね」
由美子さんはそう言うと、また天使のような微笑みを浮かべていた。
あっ、ちなみに俺は雄太の事はしばらく預かっている、みたいな事を言っておいた。
そんな事より……今日一日でこんな美女の連絡先を二つもゲットしちゃったよ!
こんなに俺は幸せでいいのか、誰かに刺されたりしないだろうな?
その微笑みのあまりの魅力に俺はしばらく放心状態になっていた。
だから由美子さんが手首の時計に目をやったのも気付かなかった。
「あ、じゃあ私達そろそろ帰るわね」
それだけ言うと最後まで笑顔を絶やさず車を走らせて行った。
「うっ、す~は~~」
危ない危ない。……見とれすぎて息すんの忘れてたよ。
背中を見ると、雄太も苦しそうに俺の肩を叩いていた。
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