拾ったのは犬でも猫でもなく赤ちゃんでした

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そうして面倒を見て二週間、今ではすっかり懐いてくれてホントに成長を見るのが楽しくなってきた。 そんなんだから俺も子供が欲しいなんて思う今日この頃。 でもいざ育てるとなると夜泣きとかあって大変なんだろうな。 とか考えていたけど、その前に彼女がいない。高三のこの時期にいないのは寂しい。 よし、彼女をつくろう!! 「じゃあ、今日はここまで。みんな気を付けて帰れよ」 あれ?もう補習終わったの? 補習中、チラ見はすれど絶対に俺の方へ来る事の無い先生が来たんだから終わったんだろう。 「いつもすまないな」 俺の机の前に来た先生は、子供を抱きかかえながら言った。 「いえいえ俺もこいつには助けられているんで」 ハハって苦笑いを浮かべながらも先生はとにかくありがとな、とだけ言って帰って行った。 「俺も帰るか」 しばらく俺はその背中を見送っていたけど飽きたので、荷物を纏めて玄関に行くと凛が待っていた。
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