プロローグ

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アーカーシャの塔最上階。 「私は大樹の精霊。そして、これが大樹の本来の姿。しかし、大樹は目覚めたばかり。それを支える楔が必要です」 刹那はその樹の大きさに圧倒されながらも、大樹の精霊を見る。 「そして、名前も。名前が無ければ大樹は枯れてしまう。あなた達人が、大樹を愛し、慈しむのならば、私は世界を守り続けましょう」 大樹の精霊は二人を見ながら、そう続ける。 「僕の命はもうじき尽きる。僕が楔になり、大樹と一つになる。刹那、君が名前をつけるんだ」 ゼノスは隣の刹那を見ながら、そう告げる。 刹那は「わかった」と言って頷き、精霊を見る。 「この樹の名前はユグドラシル」 刹那は精霊の背後の、大樹の本来の姿を見上げ、大樹の名前を口にする。 次の瞬間、一際まばゆい光が放たれた。その光は天へと昇り、消えていった。 こうして皇暦2007年の、レクサリアの侵略行為から始まった争乱は、多くの犠牲を払い、幕を閉じた。
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