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藍川アキラ。刹那の親友である。二年前、刹那が皇帝になったと同時に、刹那の選任騎士となった。現在では、軍事のほとんどを統括する傍ら、二年前の争乱で行方不明になった刹那の捜索を続けている。
「あいつならまだ見つかってない」
アキラは暗い表情でそう告げた。澪は『そう』と言って頷いた。
「今日も探しに行くんだろ?」
「ええ」
アキラがそう尋ねると、澪は一言頷いただけだった。
「俺もこれから会議や諸事情で今日は行けないが、明日は付き合うよ。代わりと言っては何だが、俺の部下を数人同行させる。好きに使っていいからな」
「ありがとう」
アキラが更にそう告げると、澪はそう礼を述べる。
「部屋もそのままにしてあるからな」
アキラはそう言って、副官に急かされ、澪と別れた。澪は小さく頷き、客室へと歩いて行った。
「(帰りを待っている奴がいるんだ。早く帰ってきやがれ)…馬鹿野郎」
アキラは、遠くなっていく寂しそうな澪の後ろ姿を見送りながらそう呟いた。
「隊長?」
「何でもない」
副官が不思議そうにアキラを見ると、アキラは大袈裟にマントを揺らし、踵を返し会議室へと歩き始めた。
王宮にある澪専用の客室に荷物を置いた、澪は刹那捜索のため、最終決戦の地である、崩壊したアーカーシャに来ていた。
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