+粉雪+

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私は交通事故で頭を強く打ったせいで記憶の混乱が起き、目が覚めた時は自分が誰かさえわからなかった。 両親は他界していて、一人暮らしをしていた私は自分で自分の入院費を払っていた。 幸いにも私の記憶の混乱は知識の方ではなく思い出の記憶の方だったので、入院日数が増えていくにつれて自分がどのような状況にあるのかがわかってきた。 私は帰宅中に反対車線から突っ込んできた車にぶつけられ、相手の男性は即死状態だったらしい。 ものすごいスピードで突っ込んできた車を、私は反射的に避けるようにハンドルを切っていたらしく、正面衝突せずに済んだそうだ。 私の車は信号に突っ込み、相手の車は半転して横滑りしたためガソリンに引火し、炎上したとのことだった。 相手の男性は麻薬中毒者で、薬を吸って気分が昂揚したことによるスピードの出しすぎで事故に至ったようだ。 全てあとから聞いた話で、私にその時の記憶はないに等しい。
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