+粉雪+

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気がつくと白い蛍光灯が目に入り、自分の居る場所が自宅ではないことがわかった。 なぜ私はここにいるのだろうか。 不思議と冷静な自分に驚くこともなくふと外を見ると、白い粉が舞っていた。 まるでケーキに粉砂糖をまぶしているかのように見えた。 しばらく外を見ていたのだが、周りをよく見ようと視線を泳がせていると、木製の写真立てが目に入った。 起き上がる力がなかったので、手を伸ばして写真を手に取った。 微笑んでこちらを見ている人が写っていたのだが、私は誰なのか全くわからなかった。 誰なのだろうと考えていると、反対の手に握っていた何かのボタンを押していた。 5分も経たないうちに看護師がやってきて、すぐにどっかに行った。 何をそんなに急いでいるのだろうと思っていると、医者と他2名を連れて部屋に入ってきた。
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