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そして、その2ヵ月後のある日、何の前触れもなく、さらなる悲劇が彼女を襲った。
その日部活を終えて、帰宅し、彼女から連絡がくるのを待っていた。
いつもより少し早い時間に電話が鳴った。
電話の向こうからは、泣き叫んでいる声が聞こえた。
僕は急いで彼女のところに向かった。
ドアをあけると泣き声だけが聞こえる。
声がする方へドアも閉めず走った。
風呂場の前で泣き叫んでいる彼女の姿があった。
駆け寄って風呂場をのぞいた。
浴槽には、真っ赤に染まったお湯と、妹の裸体があった。
僕はすぐに救急車を呼んだ。
間に合わなかった…
彼女は自分を責めた。
妹だけでも親族に引き取ってもらえばよかったと。
僕も自分を責めた。
なぜ2人とも愛してあげられなかったのか…と。
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