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そろそろ家に帰ろうか。
この冷たくなったコーヒーを飲み終えたら。
暗くなった空を見ながらコーヒーを飲んだら
コーヒー好きなお前の馴染んだ顔が浮かんだ。
お前はこんな一日の話を、
笑って聞いてくれるんだろうな。
俺のこんな一日の思いは全部お見通しで、
でも黙って聞いてくれるんだろうな。
今日何度目かの苦笑いをした。
「格好つけて、強がって。」
そう繰り返してる俺から俺へ。
覗いてみたら、全然ダメで。
あぁもうホントまいっちゃうよね。
いつもの顔でコーヒーを飲んでるお前の隣に居る
いつもの顔で全然ダメな俺へ。
「冷たいコーヒー飲んだんだから、帰らなきゃ。」
俺は笑ってお前の待つ俺の家へと帰るべく、青いベンチから腰を浮かした。
<完>
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