【32】エピローグ

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しかも時王にとって都合の悪い事に、天井に貼り付けられた魔符は銀色に発光し、今にも効力を発揮しようとしていた。 一体いつの間に、と思わずレンの方へ視線を向けてしまう。 「貴方が無抵抗で終わるとは思えませんから……貴方が私から一瞬だけ目を離した時に布石を打たせてもらいました」 「……!」 それが“爆”の魔符を投げつけられ防御に転じた時だと気付き、時王は歯軋りする。つまり、レンはこうなる事を予想しており、自分はまんまと罠に嵌められたという事実が時王には許せなかった。 「当たれっ……!」 レンの叫びを合図に、三枚の魔符は破裂し、中から針付きの鉄球が飛び出す。 時王は必死に抵抗するが、固定された空間から脱出する事は叶わない。 「悪悪悪悪悪悪――ッ!」 時王の絶叫も虚しく、鉄球が彼の脳天を砕こうとした瞬間、時王の中で何かが切れた。 「……【時間凍結】ッ!」
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