【32】エピローグ

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そうして、その空間の“時”の凍結が完了する。 “球”は空中で静止し、敵対していた銀髪の娘も、精巧な人形の如く、完全に動きが止まっていた。 「……」 【空間凍結】が解除された時王は周囲にせわしなく視線を向ける。 この五年間、彼が封印し続けてきた魔術の代償。        ・・・・ その“代償”が現れない事を確かめると、一息に息を吐き出した。 そして、気を落ち着けると、完全に静止している敵対者に視線を向ける。 最早、彼女の勝利は有り得ない。 これが彼女の最後の戦いとなる。 時王は自らの頬を弛めずにはいられなかった。 何故なら、たった今、自分は絶対的な能力を代価なしに行使出来る事が証明されたのだから。 勇敢な娘との戦いに終止符を打つべく、地面に落ちていた自らの武装を取ろうとして、ふと視線を感じた。 有り得ない、有り得ないと言い聞かせながら後方に視線を向け、驚愕した。
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