15161人が本棚に入れています
本棚に追加
/832ページ
駆ける。 憎しみを原動力にして。 前へ。アルドに肉迫し、しわがれた声で短く叫びながら鎌を真横に振り切った。
「やれやれ、頑張りますね。
管理者法典五番――」
アルドの足元に“ε”と彫られた銀色の石版が現れた。
銀色の腕輪が今まで一番の輝きを放つ。
「――【猿真似のイプシロン】。
続けて、模倣術式展開せよ!」
石版から真上に向けて穿たれた閃光がアルドの左手を貫く。
続けて、左手の甲に蒼色の魔陣が展開された。
時王の大鎌の刀身が紫の光が灯り、骸骨の印が現れた。
“運”を操作する破滅の一撃。
「【運命の一撃】!」
ヘヴンズ・ノック
「創世秘儀……【天国への扉】」
アルドは迫り来る大鎌へと左の拳を無造作にぶつける。
まるで、部屋に入る前に扉を叩くかのような自然な動作。
「……!」
ただ、それだけ。
ただ、それだけの行為で大鎌の刃が粉砕された。
最初のコメントを投稿しよう!