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「第二術式、展開せよ!」
唖然とする時王とは対照的にアルドは素早い動作で距離を詰める。
粉砕された刃を回避する代わりに異空間へ転送し、さらに前へ進む。
「――人の業は神に、蛇の憤怒は此処に」
石版から新たに穿たれた閃光がアルドの右の掌を貫く。
今度は右手に紫色の魔陣が展開する。
右手を翳し、その名を口にする。
アンチノーブレス・クロス
「【神殺の十字架】!」
魔陣を突き破って出現したのは紫一色に塗り上げられた十字架。
装飾品の規格では無く、罪人を磔に出来る程に巨大であった。
十字架は瞬時に両者の視界から消え、時王の背後に転移する。
振り向く間も無く、背に衝撃を受け、思わず咽せた。
「……うぐッ!」
同時に十字架に備え付けられていた拘束具がひとりでに動き、時王の手足と首を拘束する。
身体の自由を奪われ、反射的にもがくが、拘束具は全く緩まず、さらに全身を締め付けてきた。
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