【32】エピローグ

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「さあ、出て来なさい、“蛇”。 さもなくば、この男に永遠の苦痛を与えて、引きずり出すまでです」 「……!?」 一瞬の間を置いて、突如として、時王の両眼が見開かれた。 《君、もう要らないから》 どこからとも無く発せられた宣言。 その謎めいた宣言と同時に時王の身体が痙攣を始めた。 「……亞亞亞亞亞亞ッ!」 まず、異変が起きたのは顔。 口から漆黒の蛇が頭を出した。 続いて、鼻と耳からも蛇が這い出す。 蛇は目玉を食い破って這い出し、肉を喰らい始めた。 やがて、全身から蛇がとどめなく溢れ出て、時王は地面に横たわる。 這い出した蛇は暫く死体を貪っていたが、一点に集まり、互いに絡み合う。 やがて、それらは人の形になる。 《やるじゃん、アルド君。 君が最初に見つけてくれると思ってたよ》 蛇の群れからそんな声が投げかけられた。男性にしては高めの声音。 「五年振りですかね、貴方とは再会するのは。 お久しぶりです――」 そうして、銀髪の紳士は―― 「――スパイト」 かつての宿敵の名を口にした。 ……LEVEL UP. You can open the fourth door.
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