お祖父ちゃん

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気付いたら、僕を抱きしめていたのは去年死んでしまったはずのお祖父ちゃんだった。 僕は小学生くらいの子どもだったけど、人間に戻っていた。 悪い事をした時は、本気で僕を叱ったお祖父ちゃん。 僕は勝手な事をして、怒られる気がして気まずい気持ちになった。 そんな僕をお祖父ちゃんは、もっと強く抱きしめた。 「辛かったんな。 きつかったんな」 そう優しく言って涙を流しては、僕の頭を優しくなでる。 地球儀を買ってくれたお祖父ちゃん。 テストで90点でも、褒めてくれたお祖父ちゃん。 そうだ……僕を褒めてくれるのは、お祖父ちゃんだけだった。
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