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それは、
真っ白でもなく、真っ黒でもなかった。
唯、己の存在を誇示しているような、そんな装飾品でもなかった。
じゃあ、何か、と言われてみるとそれは空中庭園、だった。
笑う姿はまるで薔薇。
微笑むときには染まる頬は、まるで‥‥そう。骨董人形のように滑らかで白い。
汚れたものは触ってはいけない代物。
住んでいる場所は、お城。
いつも寝ている寝台には、天外。
食べ物は、あまぁい、あまぁい、お菓子だけ。
体重は増えないし、身長も伸びない。
永遠に生きる貴方は、
まるで『空中庭園』。
貴方の甘い甘い誘惑に勝てる物はいなく、ただそこにあるのは心地好い死。
嗚呼、なんということでしょう。
覚醒剤よりも填り易く、
睡眠薬よりも良い眠り。
即ちそれは、
『愛』なのでした。
-END-
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