林田との出会い

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バッターボックスに入り、越生高校の新井は黒い金属バットを握り締めていた。 『どうだ、大会は緊張するだろ。でも大丈夫、一緒にかましてやろうぜ!なぁ、林田…。』 1月中旬、病院に行くために部活を途中で切り上げた林田は、帰宅途中、団地の階段で倒れていた。 その時、林田は記憶を全て失っていた…。 毎年変わらず、優雅に咲くソメイヨシノ。高校2年生になっても、ドキドキ感がある。 新入部員を迎えた野球部は、前にも増して活気に満ち溢れていた。 本入部日より少し経った頃、監督が一人の男の子を勧誘してきた。 メガネがよく似合ったハンカチ王子のような性格の子。 それが林田である。 林田とは中学校が同じだったが、面識はなかった。 彼は中学のときバドミントン部で、野球は初めて経験するスポーツだと言う。 『初めは軽くて振りやすいバットがいいよ。』 と、勧めたのが黒色の金属バットだった。
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