眠れる森

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悪い夢から目覚めたなら 虹の朝が煌めくものと 疑うこともなかった。 でもね夜はまたやってきて 眠りを誘う小さな薬。 いつまでこうして生きるの? 朝が来るのを拒んだのは 紛れもなく私自身なの。 だけどもう恐い夢はいらない。 その手で救ってよ。 貴方がいらないならば こんな身体は壊してよ。 そっとね、首に回した腕は 絡んでほどけないように。 言いたいことも、言えない。 だっていつだってそうだった。 それだけで十分なの。 居られるだけで 幸せなの。 深い愛は時に無情ね。 痛い愛しか知らないから 上手にいられるかしら。 狂気じみた嫉妬心とか 女々しすぎる束縛なんて 出来ない。 するつもりもない。 優しい顔がキスを落とす。 せがむような顔してるかな? このままいっそ楽園の彼方 奥まで連れていって。 明けない夜はこのままで 貴方だけが私を知って。 目覚めた朝は遠く まだ瞳は閉じたままで。 夢の中でさえ好きで 壊れてしまいそうなのに。 伝えることもないけど 知っていてほしい。 いつだって…。 貴方が抱く夜ならば この身体を壊してもいい。 何もかもいらないわ。 欲しいものは貴方だけ。 本気でそう思ってるの…。 本当に、そう思ってるの。
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