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あたしは今の状況や、この後の目的である勇者の元へ行くこと、お父様にお願いしたいことを話した。
倒した蛇の中から出てきた女性を大切に保護してもらえるようにお願いをした。
お父様は快く了解してくれた。
「エリザベス、決してあなたのことを心配していないわけではないのですから、旅の途中、たまにはこうしてお話をしてくださいね」
お母様の言葉に、あたしは少し恥ずかしくなってしまって、頷くのが精一杯だった。
ぎゅっと、ペイの服を掴んだ指先に力を入れる。
あたしを守ってね?ペイ。
あたし、お父様とお母様の了承をちゃんと得て、旅をしてもいいって言ってもらえて、あなたについていくんだからね?
「では、お父様、お母様。また」
あたしがそうお父様とお母様に挨拶をすると、メリーはその風のスクリーンを消した。
話せばわかってもらえた。
それがうれしくもある。
そして両親としての愛情がうれしくもある。
早く勇者の元へたどり着いて、早くお父様とお母様の元へ帰って、安心させてあげたい。
蛇が吐き出した女性たちは、途中まで砂漠の民たちが送り、途中からシシルの国の者が迎えにくることになった。
あたしたちも、女性たちが旅立つのを見ると旅立つことにした。
途中まで、ナチさんとラーラさんが送ってくれた。
砂漠の民が使う独特の魔法で、強い陽射しの中でも歩けるようにと。
幸せそうに笑うナチさんとラーラさんを見ると、いいことしたなぁって思えた。
どうか、いつまでも二人が幸せであるように、あたしは願う。
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