悲恋の詩

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ああ!何という事だろう!! こんな悲劇は誰も予想はしないだろう!! ひとりぼっちの女は、ひとりぼっちの男を愛した。 ひとりぼっちの男も、ひとりぼっちの女を愛した。 ひとりぼっちだった二人はそのまま結ばれる筈だった。 婚姻を果たす前日に、ひとりぼっちだった男は死んだ。 崖から飛び降りて死んだ。 一緒にひとりぼっちだった女ではない女も死んでいた。 ひとりぼっちだった女は呆然とした。 そう ひとりぼっちだった筈の男は、最初からひとりぼっちだった女の財産が目当てだったのだ。 しかし、ひとりぼっちだった筈の男は財産を目当てにひとりぼっちだった女に近づいたのだが、それがひとりぼっちだった筈の男の女に苦痛を与えていたのを知るや否や、我に返ったのだ。 「このまま彼女を傷付かせたままは駄目だ。  だが、明日には彼女以外の女と結婚してしまう。  今更取り消せはしない。」 そこでひとりぼっちだった筈の男は思い立った。"彼女と一緒に死のう"と。 遺書に書いてあったその事を読むと、ひとりぼっちだった女は嘆き怒った。 ひとりぼっちだった女は、ひとりぼっちだった筈の男を愛していたのだ。 誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも。 そして ひとりぼっちになった女は、居なくなった。 数年後、崖下にひとりぼっちになった女の遺体が見つかった。 ボロボロの遺書にはこう書いてあった。 「私の身体を塵になるまで燃やして下さい。  そしてあの二人の墓に埋めて下さい。  私は復讐をするのです。」 ああ!なんと嘆かわしい悲劇!! ─── 9/27
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