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「大変です!人が!」
そこにはマントを羽織り顔がフードで隠れて見えない少年が倒れていた。
「大丈夫ですか?」
フェイが意識があるか確認するが返事がない。
「息はあるようですね…」
するとフェイがフードに手をかけようとすると
「お嬢様!」
爺がなかなか帰って来ないフェイを捜しに来たのだ。
「捜しましたぞ、お嬢様」
爺は少し息をきらせながら言う。
フェイはフードに手をかけるの止め爺に話し掛ける。
「ちょうどよかったわ爺、この方を屋敷まで連れていってください、意識がないみたいなので」
「しかし…見ず知らずの者を屋敷に入れるわけには……」
爺は困ったような顔で倒れている少年に目を向ける。
「倒れている方を放って置くなんてクレイン家の恥になります、連れていって下さい」
フェイが気品に満ちた表情で爺にそう言うと爺も納得したのか少年を抱き抱えて馬車に乗せフェイと共に屋敷に向かった。
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