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「私用ってきっと私が言った猫だよね…」
梨紗は自分の部屋で窓の外を見ていた。
コンコン。
急にドアがノックされた。
(もしかして藤堂さん!!)
期待を膨らませ、ドアを開けた。
「藤堂さっ…」
そこにはメイドとここに居るはずのない梨紗の婚約者、智也が笑顔で立っていた。
「…と、智也……どうして?今朝何も聞いてないけど……」
智也のことは好きだ。
しかし藤堂の顔を思い浮べていただけに驚きが一層増したのと、少しガッカリした。
「内緒にしてもらってたんだよ。たまには驚かしてやろうとね。」
「…そっか。ホントにびっくりしちゃった。」
(私、きっと笑えてないよ……)
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