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「でさ、クラスの奴が……おい、藤堂聞いてんのか??」
(はっ……)
「…し、失礼致しました。」
(私としたことが…大変失礼なことを……)
「よろしければ、続きをお聞かせ頂けないでしょうか…」
「まぁ、いいけどよ。藤堂がぼけっとするなんて珍しいな。」
「大変申し訳ありません…」
(お嬢様がお一人でお庭へ…風邪でもお引きになっては…)
「梨紗、あれじゃぁ風邪引くな。藤堂、何か羽織るもん持ってってやってくれねぇか?」
藤堂の見ている方を見ながら拓也が言う。
「拓也様…かしこまりました。」
「さっきから気になってたみたいだよね…藤堂さん。」
嬉しそうな藤堂を見て、本から一旦目を離し直輝が言う。
「直輝様……失礼致します。」
(本当に鋭いお方だ……)
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