序章

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「そなた達二人に神を殺した大罪人である世界の敵、『殺神者』――エリカ・クライエンの捜索及び監視・抹殺の命を与える」 司祭の言葉に神殿内がざわめき立つ。 “神や魔神を殺した『バケモノ』をどうやって倒すのか”。 “それに関わること自体が世界を危険晒すのではないだろうか”などという声が聞こえる。 「静粛に」 だが、司祭の静かな一言でピタリとざわめきが止んだ。 「大司祭様、御一つだけ訊いてよろしいでしょうか?」 先程まで黙っていた二人の内、シルファが司祭――ではなく大司祭(この神殿の最高位にあたる人物)に尋ねる。 静寂に包まれる中、大司祭は黙って頷いた。 「では、監視・抹殺というのはどういう意味でしょうか?」 「まずは監視を行い、可能ならば抹殺せよということだ」 シルファの問いに眉ひとつ動かさずに大司祭は答えた。 「……わかりました。謹んで御引き受けします」 「御意」 少し間を空けてシルファはそう答えると立ち上がり、踵を反して悠然と歩き去る。 それに続きマリスもまた短く了承の返事をし、風の様に颯爽と神殿から出ていった。 「大司祭様」    
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