第一章 神を殺した者

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 世界の中心に位置すると云われる世界最小の大陸ユーフィス。 その西の端に位置する辺境の村――アネット村。 西に広大なラーシェラ海、北に険しいケリッシ山脈、東に流れる大河リーラ川、南に広がるサリムの森と豊か自然に囲まれた閑な村で村人たちは畑や狩猟、漁などをして、ほとんど自給自足で生活していた。 しかし、ここ最近は魔物の動きが活発化していて畑を荒らされたり、森や海でも漁師や狩人が襲われ村にかなりの被害が出ていた。 そこで、偶々村に迷い込んできた旅の剣士に魔物の討伐を依頼したのだった。  そして、依頼された旅の剣士は今、森の中を探索していた。 剣士の名前はエリカと言い、年は十代後半くらい。 容姿は超が付くほどの美少女……ではなく美少年で顔と名前から初対面の相手には必ず女の子と間違われる。 長身だが痩躯なのでその辺りも間違われる要因だろう。 服装は、暗紅色の外套を羽織り、その下には黒のタンクトップと同色のパンツを穿いている。 エリカは後ろで結ってある長い蒼黒の髪を揺らしながら足音も発てずに進んでいた。    
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