取調室

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取調室

「取調室…………?」 人気のない交番の奥に案内され、身に覚えが無くとも不安になる。 「誰もいないのはわかっているが、念には念を…………ってね。」 大石さんの声が荒い。 「…………大石さん…………?」 なにか、様子がおかしい。 がしょん! 突然僕は大石さんに手錠をされた。 「えっ!ちょっ…………大石さん?」 軽くパニック状態を起こし、うろたえる。 「ハァハァ…………圭一君、ハァハァ…………本当は知っているんだろ………ハァハァ………」 息の荒さが異常さを醸し出している。 もしかして僕は疑われている!? 「お、大石さん、僕は何もしてないし、知らないですよ。」 何もしていない。 だが恐怖がこみ上げてくる。 「なにっ!圭一君!私の気持ちを知らないというのかい!私はこんなにも君を思っているというのに!」 何を言ってるんだ? しかし、鬼気迫るとは正にこの事だろう。 「……ハァハァ……圭一君……ハァハァ……」 荒い息をあげて目の前の『恐怖』が僕の肩を掴む。 「なにするんですかっ!」 両手は手錠をされているせいか、うまく抵抗出来ない。そのせいか、自分でバランスを崩し転けてしまった。 がしょん! イヤな音が鳴る 足まで手錠により拘束された。 「ひっ…………ぁ、ぁ…………」 これから何があるのかわからないが、恐怖はそこにある。 「さぁ、圭一君……」 恐怖は僕の衣服に手を伸ばす。 「えっ………ちょっ!」 手足の自由を奪われた今となっては抵抗なんて無意味だ。 「ハァハァ……ハァハァ……大丈夫だょ……」 いつのまにか、大石は下半身を露出し、恐怖と欲望が入り混じった物を見せつけた。 「ま、まさか………」 想像したくない。イヤだ。イヤだ。 「ハァハァハァハァハァハァ」 「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!!」 ひぐらしの鳴く頃に ~炎多留祭り編~ 完
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