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《ガラッ》
扉が開いて看護師の女性が入ってきた。
「きょうは賑やかですね。
検温の時間ですよ。」
入院からずっと僕の世話をしてくれている優しい女性だ。
少年期にありがちな『年上への憧れ』という病に僕はかかっていたのかもしれない。
彼女が僕の前にくるといつも甘い香りがして大人になりかけの僕の神経を刺激する。
「きょうは彼女さんがいっぱいきてるのね。」
彼女は笑いながら言う。
僕はいい返す事もできずに下を向いて赤くなっていた。
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