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「あれっ?
悟郎ちゃん。
なんか赤くなってない?」
その様子を見ていた今日子がめざとく言う。
「あっ、ほんとだ。」
今日子の隣りにいた真由美まで騒ぐ。
『女の子ってほんと、うぜぇよな。』
僕は下を向いたまま思っていた。
「高橋 真央さん。
まおって名前なんですか?
かわいい名前ですね。」
記録表に書き込んでる看護師の名札をみて、靖子が言った。
「そう、ありがとう。
佐悟郎くん。
手を出して……」
僕が手をだすと時計を見ながら脈をはかると
「少し、脈が早いようだからおとなしくしていてね。」
と言って病室を出て行った。
手首を握られた僕の心臓はドキドキと大きな音をたてていた。
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