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「いたたたたっ。」
僕が再び目を覚ますと、いきなり体じゅうに激痛が走った。
そして、そのあまりの痛さにみたび意識を失った。
人は死の直前になると自分の姿を見ると言うが、まさしく僕は死の一歩手前だったかもしれない。
…が、しかし、あの看護師の女性の香水の甘い匂いに誘われて、僕はどうやらこの世に帰えることができたらしい。
そう、女子と付き合うこともなく死ぬなんて、あまりにも耐え難き屈辱に感じ、僕はこの世に帰って来たのだ。
僕の名誉の為に言っておくが、僕は異常なほど女の子が好きという訳ではない。
実際に女性の前に立つと、一言も口がきけないほど緊張してしまうなんて現代社会では考えられないような男だった。
女子に対してアクションを起こす事の出来ない内気な男の子だった。
そう、この事故にあうまでは………。
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