いきなりあの世行き

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いきなりあの世行き

「大丈夫ですか!!!大丈夫ですか!?」 どこからか、誰かが大きな声で叫んでいる。 『はぁ~。やけに五月蠅い奴がいるなぁ?』 僕は心の中で思っていた。 《ピーポー!ピーポー!》 救急車のサイレンの音がこれでもかと言わんばかりの音で鳴っている。 『救急車の音か!? なんか近くねぇ?』 ほとんど耳元で鳴っているようなサイレンに不愉快さまで感じる。 「大丈夫ですか!!!!!」 再び誰かが耳元でさけぶ。 『うぜぇんだよ。 なにがいいたいんだよ』 僕はかなりの不機嫌になっていた。 僕の名前は 伊東佐悟郎。 学年は中学3年生で、この前誕生日を向えたばかりだから十五歳になった。 部活はバスケ部。 悲しい事にスタメンではなく、補欠メンバーの一人だ。 総体の始まる夏がもうすぐやってこようとしている、六月六日六時頃の事だった。 薄れゆく意識の中で、僕は不機嫌になっていた。
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