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車に乗り込み、快晴は尋ねる。『ユエなに食べたい?』と。
『んー。んう~…。オムライス!!』と月。
『ぶっ。ユエってさ、見た目すごい、儚げでオトナか子供か解らないよな不思議な感じで近寄りがたいけど、めちゃめちゃ可愛いなぁ。』と笑いを噛み殺す快晴。
『むぅ~なにそれ。ユエはこんなんだよっ。』と膨れる月。
『表情とか仕草とか行動とか、かなりのギャップで可愛い。怒るなぁ~。褒めてんだから。あ、もすぐ着くよ。ゴメン。この辺ファミレスしかなくて。』と快晴。
月は嬉しかった。初めて可愛い。と言われた。仕草やなんかも。
自分を肯定的に見てくれた快晴に
“好きだなぁ”と感じはじめていた。
『うぅん。全然いいよ!!気にしない。外食したこと、全然ないから。』と月は答えた。
『ふーん。珍しいね。そかそか。あ。どうぞ。』ドアを開ける快晴。
月は初めての待遇に困りっ放しで、しばらく茫然とし、慌てて中に入る。
『ゴメンね。ありがとぅ~。』とニッコリと月。
快晴も、その反応は今迄付き合ってきた女の子とは違うので、戸惑い照れくさそうだ。
2人は席につき、月は勿論オムライス。快晴は ハンバーグセットを注文。
料理が運ばれて来るまで、お互い あれこれいろいろ話していたら あっと言う間に料理が来た。
とても夢中になっていた事に気付き、お互い ふふっと笑い食事をはじめた。
食べ終わり休憩してから、近くの公園で のんびりしながら沢山沢山 話した。
天気もイイし コンビニで おやつにジュースを買い、ピクニック気分。
知れば知るほど快晴を好きになっていく…。
“アタシ、恋しちゃったのかなぁ”と月。
楽しい時間は あっという間で、月は社員寮の門限の為、早めに快晴に送って貰うことにした。
道すがら
“あぁ~。次もあるとイイなぁ。できたら彼女とか!!んーありえないだろうナ。”
なんて考えながら百面相。
快晴は運転しながらチラチラ見ていて、赤信号。止まると同時に月の ほっぺたをつまんだ。ムニッ!!
『どしたの?あ、今度はさ、水族館行こうよ。』と 満面の笑顔。
『えーっ。うんうんっ行きたいっ行きたいょっ。ありがとぅ~。』と月。
“やった。すごいじゃん。楽しみ。”
と月は再びニコニコ顔。
初めて出会った この日には、ただただ倖せで、あんなに哀しい事になるなんて…
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