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さくら散る季節。外は雨。
月(ユエ)は社員食堂の窓側いつもの席にいた。長い真直ぐな黒髪。漆黒の闇のような瞳。色は蒼白く ひどく華奢だ。感情の触れ幅が極端に少なく掴めない。誰もがあまり話しかけない。その存在はひどく儚く、泡沫のように消えそうだ。
月は、ひとと関わる事が苦手。21歳だけど、今迄彼氏がいたこともなく、誰かを強く想った事も惹かれた事もナイ。
月は想う“あぁ、今日も仕事ツマラナイ。なにか面白い事ないかな…。”
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