幼き日

12/18
前へ
/594ページ
次へ
隼人は紫電に、剣の構え、打ち込みなど、基本の動作を習った。 最初は『剣なんて握ったことないよぉ……』と言っていた隼人だが、徐々にそれなりになってきた。 いつしか陽は落ち掛け、空一面をオレンジ色に染めていた。 「よし、隼人、今日はこれくらいでいいだろう。また明日も同じくらいの時間に来い」 『はぁ……はぁ……』 隼人は言葉を発せないほど息切れを起こしていた。 「俺は先に帰る。隼人も晩飯までには帰ってこいよ」 『はあぁ……わかった……』 「それと、メシ食い終わったら俺の部屋に来い。お前を鍛える理由と昔話をしてやる」 そういうと、紫電はそこから去った。 「隼人、おつかれさん」 隼人が鍛えられてる様子を、ずっと見ていたセツナが、隼人の隣に来た。 『あぁ……セツナ。先に帰ってもよかったのに』 「寂しいこと言うなよ。また明日もやるんだろ?」 『やるだろうね……じいちゃんやる気満々だったから』 「じゃあ明日も来るよ」 『わかった』 2人は約束を交わし、別れた。
/594ページ

最初のコメントを投稿しよう!

434人が本棚に入れています
本棚に追加