幼き日

4/18
前へ
/594ページ
次へ
隼人が猫の方を見ると、猫は空をボーッと見つめていた。 改めて見ると綺麗な猫だ。銀のフサフサした毛並みに、薄緑色の目。そして時折動かすフサフサの尻尾が可愛かった。 視線を猫から空へ切り替えると、どこからか 「君も1人ぼっちなのかい?」 と、声が聞こえた。 隼人は辺りをキョロキョロと見回すが、そこには誰もいない。 いるのは…… 猫だけ───。 隼人はまさかと思い、猫を見つめる。すると猫も隼人の方を見つめ返す。 そして猫は 「聞こえなかったかな……」 と、寂しそうに言った。 (……この猫……言葉を喋れる……?) _
/594ページ

最初のコメントを投稿しよう!

434人が本棚に入れています
本棚に追加