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その日の夜──。
食卓にて隼人が昼間出会った猫について語り出した。
『ねえねえ、ママ。今日、川で喋る猫と友達になったよ』
隼人の言葉に、食卓は一時沈黙……。
沈黙を破り、母が口を開く。
「隼人、大丈夫?」
『なにが?』
「猫はね、喋れないの」
母は当たり前の事を言った。それに負けじと隼人も間髪入れず口を開く。
『でも俺、喋ったもん。名前はセツナって言ってた』
そしてまた沈黙……。
今度は、酒を片手に晩飯をつまむ祖父が口を開く。
「隼人、そいつはもしかして、神猫じゃねェか?」
『かみ……ねこ……?』
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