小夜の寝覚

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  「長い間、大変でしたね。もう大丈夫ですよ、私がここから貴女さまを連れ出して差し上げます」 連れ出す……? 私をここから……出してくれるの!? 私はすがるように、突如目の前に現れた僧侶さまの手を握り締めた。 彼もしっかりと握り返してくれて……人肌に触れるのは何十年ぶりなのかしら?温かいわ……。 あの子にも……私の息子にも、もうじき触れることができるのね。 あぁ、早く会いたい。 会ってこの手で抱き締めたい……。 ……首(おびと)……私のかわいい子……。 ―結―
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