小夜の寝覚

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……ここは……どこだったかしら……? 私は……いつからこうしていたのかしら? もはや、記憶が曖昧になってしまったわ……。 この暗闇に身を置くようになってから、太陽がどんな色をしているのか忘れてしまった。 黒より黒いこの闇が、私が知っているすべての色なのだから。 私の周りには“漆黒”という色しか存在しないのだから。 でも、それでいいの。 いろいろなことを考えるのは、その分余計に虚(むな)しくなるだけだもの。 色を「きれい」と思う感情すら、とうの昔に忘れてしまった……。 このような暗い空間で過ごすことになったのは……十年前? 二十年前?
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